トイレつまりの適切な対処法を5つご紹介します!
トイレに異変!もしかして、詰まってる?流れが悪い、変な音、水面上昇…どうしよう。
でも奥の方まで見えないし…実際どんな状態になったら修理してもらわないとまずいの?
そんな不安や疑問を持つ方のために、自宅トイレでよくあるつまりや不具合と、おすすめの対処法をお伝えしていきます。
後半では、各対処法の費用相場についても解説していきます。
業者視点かつ価格に厳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
次は安心してトイレを使用できるように、早めに処置しておきましょう!
なぜ?トイレつまりの原因
トイレつまりの原因は、大きく分けて次の二つのどちらかです。
- 便器から配管までの水路を何かがふさいでいる
- 流す力が足りない
しかし、トイレが詰まったら必ずこれ、という原因はありません。
ご自身で対処できるかどうかをはっきりさせるためにも、まずは原因の特定から始めましょう。
トイレつまりの原因その1:水路を何かがふさいでいる
ティッシュペーパー等の水溶性でないペーパー類、猫砂、カップ麺の残り汁などを流した記憶があれば、原因の可能性大です。
パッケージに「トイレで流せる」などと書かれていたものでも疑いましょう。
しかし、そんな心当たりがない場合。
トイレの水路を塞ぐことがよくあるものとして、次のものが考えられます。
- トイレットペーパー
- 嘔吐物
- 尿の成分が固形化したもの
- ポケットやトイレの戸棚からの落下物(ペンやおもちゃなど)
トイレットペーパーだけで詰まりを起こすことは案外少なく、半ロールくらい丸々流さないと詰まらないと言われているくらいです。
しかし、水圧が弱くなっていたり、配管が何らかの原因で狭まっていたり、汚物の量が多かったり、複合的な要因で詰まることもありますので細かく原因を追求していく必要があります。
トイレつまりの原因その2:流量が少なすぎる
トイレは、後ろのタンクから大量の水が流れて、もともと便器にたまっている水ごと汚物やトイレットペーパーを排水管に落とし込むシステムです。
洋式トイレの便器を覗き込むと穴が見えますが、ここからすぐに地下の配管に落ちていくわけではありません。
穴からすぐ下に落ちていってしまう構造だと常に水を貯めていられないので、穴の先、水面の高さくらいまで上がったところから落ちていきます。
そう考えると、意外とタンクから落ちてくる水量が多くないと流しきるのは厳しそうだということが想像できるのではないでしょうか。
詰まりやすい場所
何かが水路をふさいでしまうにしても、流量が少ないにしても、トイレの構造上詰まりやすいのは、次の2箇所です。
- 便器の穴からすぐのところ、排水管に落ちる手前の部分
- 地下に落ちたあとの緩い傾斜の排水管
①については、「原因その2」で解説した通り、便器の穴からすぐ真下に落ちていくわけではないことから、つまりやすい箇所です。ここの詰まりなら穴近いのでからなんとか素人でも対処できそうですね。
詰まりやすい箇所としてもう一箇所挙げられるのは、②地下の配管です。
地下を横に進む排水管は、あまり傾斜がありすぎると水だけ先に流れて固形物が残ってしまうため、比較的緩やかに設計されています。
何らかの原因で配管に汚物が蓄積してふさいでしまったり、単純に水量が足りなくて流れきらないことがあります。
トイレのかなり奥の方なので、ここで詰まってしまった場合の難易度は高めです。
物理的な処置が必要な場合は諦めた方がいいかもしれませんが、液体で溶かせるものなら素人にも対処できるかもしれません。
トイレつまりの対処法
ざっくり2つに原因を分けましたが、対処にあたっては、もっと細かく分類して考える必要があります。
たとえば、取り出すべき固形物を押し込んでしまうと悪化しますし、尿の成分が固まったアルカリ性の固形物にさらにアルカリ性の液体をかけても無意味です。
悪化させることのないよう、しっかり見当をつけて挑みましょう!
今回紹介するトイレつまりの対処法は、次の5つです。
- 流水量が少ない場合→破損したタンクの部品を交換する
- 尿の固形物が原因の場合→酸性の液体で溶かす
- 油が原因の場合→アルカリ性の液体で溶かす
- 水溶性のものが原因の場合→押し込んで流すか、溶かす
- 水溶性でない固形物が原因の場合→取り戻す
一つ一つ見ていきましょう。
①流水量が少ない場合→破損したタンクの部品を交換する
便器を観察してちょろちょろタンクから水が常に出てきてしまっている場合や、後ろのタンクを開けると水が足りていない場合は流水量が足りていない可能性が高いです。
- フロートバルブのゴム玉が劣化している
- ボールタップの浮き球が破損している
原因を特定したらその部品を交換するとよくなります。
この場合、トイレの詰まりは一時的なものと考えられますが、油断は禁物です。
万が一水路の詰まりも同時に発生していると、水を流した際、便器から水が溢れて大変なことになりますので、まずは、バケツの水で流してみて、ちゃんと流れるか確認しましょう。
②尿の固形物が原因の場合→酸性の液体で溶かす
尿の成分が元になって、石のように固まってしまう場合があります。
これが配管内で成長、遂にふさいでしまうのです。
また、こうやってできた尿石の関門に、流したものが引っかかってしまっているようなことも考えられます。
尿石は炭酸カルシウム、つまりセメントの主原料、真珠の主成分と言われれば、いかに頑固な汚れで、詰まるのも納得できるのではないでしょうか。
生成過程でアンモニアが発生するので、いやな臭いがしていたら尿石が原因の可能性も高いです。
また、節水のために流す回数を減らして貯めていた、というような場合は可能性大です。
この場合は、詰まりの箇所がどこであれ、溶かすのが最善の手です。
- クエン酸水溶液/お酢
- 塩酸入りトイレ用洗剤(「酸性」と書かれたもの)
- 尿石除去剤(業務用薬剤)
トイレ用洗剤にも「中性」のものや「アルカリ性」のものがあり、これらを使っても無意味です。必ず「酸性」のものを使用しましょう。ゴム手袋とゴーグルで皮膚や目を保護した上で、これらを便器に加えて溶けるのを待ちます。
油が原因の場合→アルカリ性の液体で溶かす
便や嘔吐物の油が排水管に残るとこべりついてつまりの原因となります。
カップ麺の残り汁を流すのはアウトだということが、これで分かりますね。
最近嘔吐を繰り返した、その他何かしらの理由で油がたまっている可能性はありそう、と心当たりのある場合は、次の液体で溶かせないか試してみましょう。
- セスキ炭酸ソーダ/過炭酸ナトリウム
- アルカリ性(塩素系)洗剤
- 排水管洗浄剤(アルカリ性の業務用薬剤)
セスキ炭酸ソーダーや過炭酸ナトリウムを適量便器に入れてぬるま湯をかけ、30分ほど放置します。これでダメならより強い薬剤を試してみるのもいいでしょう。
水溶性のものが詰まっている場合→押し込んで流すか、溶かす
トイレットペーパーのような水に溶ける素材のものを詰まらせてしまった場合、個人で取れる処置は以下の通りです。
- バケツの水やぬるま湯を少し高いところから勢いよく落として流す
- トイレに突っ込めるように加工したハンガーや針金などで押し込む
- アルカリ性の洗剤で溶かす
- パイプクリーナーワイヤーで削る
- ラバーカップ(スッポン)/真空式パイプクリーナー/ローポンプなどで引っ張る・揺らす
バケツから水を流す代わりに、トイレの水を普通に流すのは絶対にやめましょう。
バケツの水であれば様子を見ながら入れる量を調節できますが、トイレの水では便器からすぐに溢れてしまいます。
どれも基本的には、効果を高めるためなるべく水を抜いた状態で行います。水がたまった状態では、薬剤が薄まってしまったり、お湯が冷めてしまったり、汚水が飛び散ったりします。
アルカリ性の洗剤がご自宅にない場合は、中性洗剤で効果が見られる場合もあるので、一度試してみてもいいでしょう。
トイレットペーパーが溶けるといっても、少量の洗剤だけですぐに流れていくとは考えにくいです。柔らかくなったところで、勢いよく水を流したり、次に紹介するラバーカップやローポンプ、針金などとの組合せ技が有効でしょう。
水溶性でない固形物が詰まっている場合→取り戻す
ラバーカップ(スッポン)
ラバーカップは、なるべく洋式用の先端形状が洋式便器に合ったもの(下画像)を使用するといいでしょう。穴をラバーカップで覆った状態で、押す引くを繰り返します。ゆっくり押し込んでカップ内の空気を押し出し、勢いよくひっぱります。
押すときに力を入れるとますます押し込んでしまうので注意しましょう。
⇒ラバーカップ(すっぽん)を使用したトイレつまりの対処法を見てみる
真空式パイプクリーナー/ローポンプ
特に異物を流してしまったような場合、弱い圧しかかけられないラバーカップでは、取り戻すのは大変かもしれません。コツも体力も必要です。
より強い圧をかけられる真空式のパイプクリーナーを使ってみるのも手です。さらに強いのが業務用のローポンプとなっています。
自分で対処する際の注意点
まずは自身の安全確保
慣れていないと必ず汚水が飛び散ります。感染症対策のためにも必ず手袋やマスク、ゴーグル、汚れていい服などを完備して、作業を始めましょう。
また、洗剤等を使用する場合、「塩素系」と「酸性」の洗剤を混ぜると有害ガスが発生し大変危険です。必ずどちらか単体で使用し、詰まりが解消した後は何度か水で流してください。
特に、刺激の強い薬剤を使用する場合は、肌荒れにとどまらず、失明の危険もあります。
ゴム手袋、ゴーグル、長袖長ズボンは必須アイテムです。
便器や下水設備、床・壁の保護
床や周囲の壁には新聞紙などをマスキングテープなどで固定、便器には大きなゴミ袋をかぶせるなど、飛び散った汚水が付かない対策を取った上で実施してください。
また、便器を傷めないよう、強い薬剤を使った後は必ずよく流しましょう。バケツで水を流す場合や粉状の薬剤を溶かす場合などは、水よりも温かいお湯の方が効果が出やすいですが、40℃〜50℃程度のぬるま湯にし、熱湯は絶対に使わないでください。
浄化槽につながっているトイレで強力な薬剤を使用すると浄化機能に影響してしまいます。使用を控えるか、中和を行ってください。
費用比較・対策費用相場
<トイレつまりの対処法と費用>
原因別の対処法 | 詰まりの重症度 | 費用目安 |
酸性薬剤で溶かす
A. クエン酸水溶液B. 尿石除去剤(業務用「塩酸入り」トイレ用洗剤) |
A. 軽度
B. 重度 |
A. 100-300円程度
B. 300-1500円程度 |
アルカリ性薬剤で溶かす
A. セスキ炭酸ソーダ/過炭酸ナトリウムB. アルカリ性(塩素系)洗剤 C. 業務用排水管洗浄剤(アルカリ性薬剤) |
A. 軽度
B. 中度 C. 重度 |
A. 100-300円程度
B. 300-500円程度 C. 800-1600円程度 |
空気圧で引っ張る
A. ラバーカップ(スッポン)B. 真空式パイプクリーナー C. ローポンプ(業務用) |
A. 軽度
B. 軽度 C. 中度 |
A. 400-1500円程度
B. 1500-4000円程度 C. 12000-17000円程度 |
物理的に削ぎ落とす
A. パイプクリーナーワイヤーB. 家庭用高圧洗浄機 |
A. 重度
B. 重度 |
A. 1000-2500円
B. 10000-20000円 |
タンク修理
A. フロートバルブB. ボールタップの浮き球 |
A. ―
B. ― |
A. 1000円程度(工具別)
B. 2500円程度(工具別) |
費用相場をみても分かる通り、重度になるとそれだけ費用もかかります。完全に流れなくなってからでなく、早めに対処することを心がけましょう!
トイレつまりの対処に困ったら
原因によって全く処置が異なるため、まずは落ち着いて原因を特定することが大事です。
ご自身で対策を行う場合の流れとしては、
- あわてて水を流さない(便器からあふれそうな場合、止水栓を閉める)
- 詰まりの原因となる行動をしていないか思い返し、家族に聞く
- 観察して原因を特定する(タンクの故障など)
- 処置に必要な道具の購入
- 作業場所の養生・感染症予防(手袋など)
- 施工
となります。
ここまで見てきたように、詰まっている箇所が見えない分、原因特定が非常に難しいのがトイレのつまりです。
基本的に、ご自身で対処できるのは思い当たる節があって対処法がはっきりしている場合のみと考えた方がいいでしょう。原因がわからずに適当に実施すると被害を広げてしまう可能性があるので、業者へ依頼することをおすすめします。
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